イガイガの丹沢放浪記

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zoom RSS 河内川の右岸支流ヒイチ沢

<<   作成日時 : 2017/07/29 23:00   >>

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人里近く、周辺の牧歌的な景観や貧相な出合からは想像できない、標高900mにも満たない低山の沢ながら滝が連発するヒイチ沢。知名度は低いが手近に楽しめる沢である。過去に二度訪れているが、いずれもまともに歩き切っていない。ここを訪れるのは初めてというAYさん、はっぴーさんたちと連れ立ってあらためて完歩にチャレンジしてみることにした。

県道76号 向河原バス停そば[7:15]…火打沢出合の園地[7:30]…笹山堰堤…F1連瀑帯[7:50]…F4ゴルジュ[10:00]…460m二俣[11:00]…590m二俣[12:40]…不老山登山道[14:10]…火打沢出合園地[15:00]…県道駐車地[15:10]

写真左奥に見える谷間が本日目的のヒイチ沢、漢字では“火打沢”と書くので土地訛りなのかもしれない。

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県道76号の不老山ハイキングコース入口から、河内川に架かる吊り橋を渡り茶畑の中を抜けてヒイチ沢へ向かう。出合付近は水がなくちょっと拍子抜けだが、寂れた園地の東屋を通りすぎ「火打ダム」と銘板のある堰堤を越えてから沢へと降りていく。

荒れた沢筋をなおも進んでいくと、見事な石積みの「笹山堰堤」が前方に立ちはだかる。
ここは左の斜面から巻き上がり越えていく。

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堰堤を越え沢に戻ると前方に滝の流れが見えてきた。
落差は10mぐらいだろうか、前回、豪雨の直後に訪れたときは、
周囲の至るところから水が流れ落ち、滝広場のようになっていたところだ。
きょうは落ち着いた流れの本流F1だけになっていたが、ここで沢スイッチが入った。

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以前、どうやって越えたか思いだせない。
右から巻いてF1落口へ降りていくと、すぐに2段8mのF2が続いている。
ここは水流際を歩いて登る。

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そしてあらわれたのが4段30mのF3、
段瀑のように見えるが、実際はそれぞれ少し間隔を空けて続く滝のようだ。

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とても太刀打ちできる滝ではない。
周囲を見回してみると、左手斜面を回り込んだところにロープがあり、
岩場を登り、連瀑の高さより高いところまでいったところで沢に戻った。

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F1から続く連瀑帯が一段落すると、沢は狭い淵と小滝が続く廊下になる。
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沢はドン突きとなり、左から10mの落差でF4が流れ落ちてくる。
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周囲は崖に囲まれ、高巻きも厳しそうに見えるが、F4手前の岩壁にロープが垂れていた。
階段状の岩場を登るのだが、こびりついたコケと積もった泥がズルっと滑り安心はできない。

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ロープを頼りに慎重に登ったところからはうっすらと踏跡が続き、
たどっていくとF4の上に続くF5の横に出た。(=トップ画像)

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F5を下から眺めてから、あらためてF5の上にでると、そこからは極狭ゴルジュになる。
行きたくても背丈以上の深さの釜をもった4m滝が行く手をはばみ、
その奥には流木が詰まった滝と、さらにその奥に5mほどの滝が見える。

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突破はムリそうなので巻き道ルートに戻り、
ゴルジュの滝場を右下に見ながら右岸を大きく巻いてトラバースしていく。
ゴルジュの中の滝をいくつかパスしてきたのでもうFナンバーは分からない。
滝場が終わったところで小尾根をくだり沢へと戻った。

ここからしばらく、小さいながら深い釜をもつ小滝が続き、股までつかりながら越えていく。

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5mスラブの板状滝は、釜のへりから水流右を登ってチョックストン左へ抜ける。
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460m二俣、前回は気づかずまっすぐ左俣へ行ってしまったが、
カンテを越えた狭い右俣に入るのが正解だったようだ。

ちなみに県有林関係の地図をみると火打沢はここまでで、
左俣をイトミナ沢、右俣はホタノ木沢と記載されている。

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まあ、細かいことは抜きにして、一般的にヒイチ沢の本流とされる右俣に入ると、
凡庸だった左俣とは違いナメと小滝が続くなかなかイイ感じの沢筋だった。

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やがて570mで沢が突き当たると、重ねた鏡餅のような15m滝が右手から流れ落ちている。
15m滝を前にした背後には30mはあろうかという涸棚があり、こちらも威圧する。
今日一の難敵にぶつかった。

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滝の直登は我々のレベルではないし、周囲に巻き道もみつからない。
唯一、左手のルンゼを15mほど登ったところから回り込めば滝の上に抜けられそうに思えた。
しかし、やってみるとグズグズ、ズルズルでとてもトラバースする気にはなれない。
危険と判断して諦める。

さて、行き詰ったどうしよう。
軟弱なイガイガは戻ろうよと弱気、慎重派のはっぴーさんもやめようか…
しかし、イケイケのAYさんがグズグズルンゼの直登にチャレンジ、
40m以上登ったところで中間尾根を乗り越え、なんとか無事に15m滝を越えた上部側に降り立つことができた。

緊張の巻きを終えたところで腹がへったし時間もいい時間、590mの二俣で昼めしタイムだ。
少し戻って15m滝の落口をのぞきこむと、その上にはさらに5m滝が三つ階段状に続きとても登れそうにない。やっぱりここが今日一の核心部だったようだ。

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それにしても、沢に入ったのが標高200mぐらいで7時半頃、
今12時半すぎでまだ標高590mあたりをうろついているんだからやんなっちゃう。

休憩後、北に向かう沢に入り、もう水が涸れるだろうと思いながら登っていくがなかなか涸れない。

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それどころか標高640m付近で前方を見上げると落差がありそうな滝の頭が見えている。
近づいてみると3m滝に続き、スダレ状の13m滝があらわれた。
ここは左から巻いていく。

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この先も、まだまだ続くよ滝登り。
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ようやく水が涸れると、丹沢名物倒木地獄。
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周囲が植林になり、やがて沢の溝も消えザラザラの火山灰の斜面を登っていく。
まるでアリ地獄のような苦難の登りだ。

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そしてようやく、780mで横切る登山道に合流した。
ここからはまじめに登山道をたどって下っていくと、
わずか50分で出発地点のヒイチ沢出合の園地に着いた。

いやはや、お疲れ様、きょうも楽しめました。
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今まで何度か「楽しめる沢だから一度行ってみな」と他人に薦めたことがあるが、
たいていは「ふ〜ん」と気のない返事が返ってくるだけで終わってしまう。
まあ、人里近いマイナーな沢だから仕方がないけれど、食わず嫌いしないで、
一度食ってから判断してと言いたくなる。

ただし、低山とはいえ、決してあなどれない沢であるということをお忘れなく。
行かれる方は、くれぐれも舐めてかからぬようお願いします。

 2017.07.29(土)

《今回のルート図》

 ※Fナンバーや落差など、あくまでも自分の感覚で書いています。他と一致するものではありませんので、あしからず。

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
ありがとうございました。
短い沢ですがバラエティに富み、なかみが濃ゆかったですね!
久しぶりに骨のある沢で、KU塾時代を思い出しました。
はっぴー
2017/08/05 11:08
一度目は中途、二度目は迷子、
今回は敬老会の沢歩き、短いながらも楽しめました。
翌日の新聞に年齢が載らなくてよかったってところもあったけど(笑)
イガイガ
2017/08/05 17:52
ありがとうございました。
隣の「ボウズクリノ沢」もお願いできれば(^^)
AY
2017/08/07 10:09
毎度お疲れさまです。
ボウヅクリノ沢、ご無沙汰なので久しぶりに行ってみますかね。
遡行の記憶も曖昧になってきたことだし…
イガイガ
2017/08/07 10:49
ボウズクリノ滝、
一人でかなり下から眺めたことがありました。
ぜひ、私も同行させてください。
はっぴー
2017/08/09 07:50
同行させてくださいって、まだ何も決まっていませんけど
イガイガ
2017/08/09 09:48
あはっ、そこですか!
てっきり、記事UPの遅延をツッコマレルかと
“何か”決まったら、お願いします。
はっぴー
2017/08/09 10:19
近くの滝口沢ヒル情報ありますが、はっぴーさんご一緒ということは不老山側は大丈夫ということでしょうか?
utayan
2017/08/10 22:29
はっぴーさんとヤマビルの生息は関係ないですけど、もはや丹沢湖周辺も安全領域ではないので、一応対策はしていきました。結果的にはいなかった(見なかった?)です。まだ河内川は渡ってないのかな?
イガイガ
2017/08/11 06:07

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