原小屋沢からボッチ沢、蛭ヶ岳、榛ノ木丸へ

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平成最後の山歩きは、早戸大滝から丹沢山に登ったが、令和となって最初の山遊びの目的地を丹沢最高峰の蛭ヶ岳と決め、原小屋沢から足の向くまま登ってみることにした。

 
魚止橋[7:00]…雷平[7:45]…原小屋沢…雷滝[8:08]…カヤノ沢出合[9:03]…ガータゴヤノ滝[9:58]…ボッチ沢…蛭ヶ岳[11:59]…東海自然歩道[12:00]…地蔵岳[12:35]…又兵衛沢[12:51]…原小屋沢横断[13:10]…カヤノ沢、カサギ沢出合[13:56]…榛ノ木丸[14:23]…榛ノ木丸東尾根…林道ヘアピン[15:18]…魚止橋…車[15:24]

先日訪れたときは、早戸川林道沿いの至るところに駐車車両があふれていたが、どうしたわけか、きょうは空き空き、駐車場所に苦労することなく、車を止めることができ出発した。
魚止橋から雷平まではいつもと同じく早戸川沿いを歩き、ここから原小屋沢に入って雷滝へと向かう。
中ノ沢の出合を左に見送り、岩塊が重なり合う大岩の滝を眺め、左岸に沿って20分ほど歩くと雷滝に着いた。

雷滝は何度も訪れているが、やはり素通りはできず写真を撮ってしまう。定点からだけでは飽き足らず、滝下や左岸に渡って写真をパシャリ、右岸に戻るのが面倒になり、そのまま左岸を登って雷滝を越えた。

雷滝(2枚)、同じ滝でも表情はいろいろ。
 荒々しい滝下からの眺め。
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 優美な左岸からの眺め。
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ここからが、本格的沢歩きになる。
沢登りというよりも、沢歩きと言ったほうが似合う原小屋沢、岩間を縫って流れる急流をさかのぼっていく。

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40分ほどさかのぼると、左岸に10mのナメ滝をもってカヤノ沢が出合う。
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カヤノ沢出合をすぎ、100mほど先でゴルジュ状になり、狭い岩間の奥を覗きこむと、倒木を頭上に冠したバケモノ滝が流れ落ちている。
奥まった薄暗いところに水を落としているので、この名前がついたようだが、バケモノのようなイメージはなく、どちらかといえば白衣観音にみえるのだが…

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三段の滝のように見える滝なのだが、一番奥の一段は落石が落口にあり、水流が変わって水の流れがほとんどなくなっていた。
ここは右岸のスラブに取り付いて残置トラロープを使って登ったら、トラバース気味に踏跡をたどり通り抜けた。

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さらに10分ほど快適な沢歩きを続けると、この10m滝を越えたところがガータゴヤノ滝だ。
この滝は右からも左からも巻いていける。

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そしてガータゴヤノ滝 (=トップ画像)
天気のよい日は、逆光になる時間帯に着いてしまい、まともな写真が撮れないことが多いのだが、
幸か不幸か、ガスってきて太陽が隠れ、ちょうどいいあんばいになってくれた。

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ガータゴヤノ滝は越さず、そのままボッチ沢へと入る。
この沢を歩くのは初めだが、沢歩きとしての期待はたいしてしていない。
しかし、滝の一つや二つはあるだろうと、淡い期待を内心に歩きだす。

水量は多くはないが流れはある。
小滝をひとつ越え、板壁のようなスラブの4m斜瀑を左から越えていく。
ガレが積もったゴロタの滝を横から通過、
滝らしい滝はないかわりに悪場もなく、黙々と登っていく。

Yの字を逆さにしたような4m滝は、右から取り付き水流を横切ろうとして
思いっきり水を浴びてしまい下半身びしょ濡れで冷たい。
ガスも急に濃くなり、まるで夕方のようになってきた。
水流のある最後の4m滝を左から越えていくと、やがて1200m付近で水も涸れた。

そろそろ尾根に逃げておかないと、この先の地形図にある崩壊地マークあたりで詰まってしまうかもしれない。
しかし、すっかりガスに囲まれてしまい、20m先も見えない状態だ。
周囲の様子が全く分からないので、どこから尾根に上がればいいのか見当がつかない。
戻るに戻れず、やむなく先へ進んでいくと、突如ガスの中から壁があらわれ、行く手を阻まれた。
ここで万事休すかと思ったら、左の方にガスにかすんだチムニー状の抜け道がみえる。
沢筋はどうやらそちらに続いているらしく、何とか抜けられそうだ。
狭い煙突状を攀じ登って抜け出たが、状況は変わらず、行く手がほとんど見えないので心細い。
右岸に上がれば、市原新道に合流できることは分かっているのだが、なかなか安全に取りつけそうなところが見つからない。ようやく、ここなら大丈夫だろうと思えるところをみつけた。
ダメなら戻る覚悟でケモノ道をたどっていくと、うまいこと尾根に這い上がることができた。

尾根に上がれば、ひと安心。
ガスにかすむ広い斜面を蛭ヶ岳めざして登っていると、雨が落ちてきた。
パラパラと音がするので地面をみると、なんとアラレ混じりの雨だ。
ひたすら登って、やがて市原新道と合流、ちょうど登ってきた男女二人組と遭遇した。
このタイミングでひとと出遇うとは思っていなかったが、挨拶してそのまま登り続け、蛭ヶ岳山荘の裏手に着いたのは12時ちょっと前、連休の真っただ中、それも昼どきだというのに、山頂広場はひっそりだった。

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雨だし、眺望もないし、濡れて寒いし…
三拍子そろっているので山頂では休まずに素通り、東海自然歩道を姫次方面へと向かう。

車を魚止橋に置いてきているので、下山ルートを榛ノ木丸経由に考えているが、姫次あたりからでは、ありきたりで面白くない。第一遠回りだ。今回は少し趣向を変え、東海自然歩道の1370m圏ピークから東北東に続く尾根を、原小屋沢、カヤノ沢と横切ってショートカット、新ルートを開拓して榛ノ木丸まで行ってみようと思う。

登山道から、1370m圏ピークの腹をトラバースして尾根に乗るつもりだったが、植生保護柵が張り巡らされていて思うように進めない。柵沿いを歩いていたら下方に追いやられ、結局、又兵衛沢に降りるハメになってしまった。最初から尾根に乗ればよかったと反省しきり、余計なアルバイトをしてしまったが気を取り直し、行く手の方角をしっかり確認して進む。
当初予定の尾根を乗っ越して原小屋沢に降りたら対岸に取り付き、今度はカヤノ沢とカサギ沢の分岐地点まで尾根筋をたどってふたたび下降、登り返してカサギ沢左岸尾根に乗り、榛ノ木丸に着いた。
もちろん、姫次を経由するより距離は短いが、障害が多い分、時間的に早いかどうかは別である。
ここまでくれば、あとは1292m大杉沢ノ頭の北側を巻いて榛ノ木丸の東尾根を下り、魚止橋先のヘアピン目指して一気に下っていく、お馴染みのバリエーションルートを下降するだけである。

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歩いた軌跡をみれば、ほぼ直線的なので確かにショートカットではあるが体力は使う。
地形図を読み違えれば、さらに余分な体力を使い、泣きが入ること請け合いの物好きルートであることは間違いない。それだけに緊張感があり、本人的にはけっこう楽しめた令和最初の山遊びだった。

 2019.5.2(木)

《今回のルート図》

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