神武天皇社尾根から蛭ヶ岳へ 下山ルートは袖平山北尾根

神武天皇社尾根? そんなの聞いたことない。
ごもっともです。
上青根地区の守護神、神武天皇が祀られている558mピークから、
南東の黍殻山まで続く尾根筋に、便宜上かってにつけた呼称なので悪しからず。

昨年の台風19号以来、丹沢の各地で寸断された林道の復旧が進まず、
神ノ川林道も早戸川林道も通行止めのまま、青根の釜立林道にしてもしかり、
車アプローチ派にとって行動範囲が狭まり、遊び場が限られた感がある。
たまには蛭ヶ岳にも行きたいが、なかなかいいルートが浮かばない。
ピストンは好きじゃないし、無理なく歩ける周回コースがないものか、
あれこれ考えてみたが日の短いこの時季、
今の体力では無理っぽいコースばかりで自信がない。
姫次~蛭ヶ岳間がピストンになるのはしかたがないにしろ、
ただの往復では面白味がない。
せめて、青根の行き帰りだけでも周回ルートになるよう、
未踏尾根二本をからめてバリエーションルートを歩いてみることにした。

青根を起点にするのは初めてかもしれない。
まずは上青根の集落が一望できる“みはらしの丘”近くの浄水場前から出発。
水道施設入口の脇から「神武天皇社登山口」の案内に従って柵沿いに進むと
赤い鳥居があり、そこから急斜面に200段あまりの階段が続いている。

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上がりきった小ピークに祠があり、向かって右に神武天皇社。
左にある覆屋の中に小さな祠が三つ、右から秋葉社・中央に金刀比羅社、
左の小祠に宝毛丹後守社、天神社、厄神社が合祀されている。

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まず参拝して祠の裏手へ回ると、砂利が敷き詰められた森林整備用のりっぱな道が続いている。
ついつられて、確認もせずにたどってしまったが、あきらかに方向が違う。
あらためて方角を確認し、予定していた尾根にのった。

周辺は植林、木材を運ぶ索道もあり、作業径路もときどき現れるがあまりはっきりしない。
しばらく散乱する間伐材をまたぎながら急斜面を登っていくのだが、きっとこの辺り、
ひと月前の季節ならヤマビルまみれになること請け合い、
今は活発に活動する時季ではないので気にせず登っていく。

この尾根、とくに危なげな岩場や崩壊地などはなく四つん這いで登るような急斜面もない。
下部の植林帯が終わればアカマツ混じりの自然林になり、
標高が850m辺りからブナ林もあらわれた。

この尾根筋を最後までたどれば、黍殻山の三角点に着きそうなのだが、
山頂まで登らず南側山腹を巻いて登山道までズルしてみることにした。
はじめはそれっぽい径路もあったのだが、だんだんあやしくなり踏跡程度になって、
最後は完全にケモノ道で途中から見失った。あとは適当に斜面を歩き、
黍殻山の南側で登山道と合流した。

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避難小屋を見送り、八丁坂ノ頭分岐、青根分岐とすぎ、
ダラダラ坂を登っていく。
このあたりもう少しラクだったと思ったけど、バリ歩いたあとなのでけっこう堪えるな…
うしろから来て道を譲った連中は、どんどん差をつけて先にいっちゃうけど元気だな~
まっ気にせずマイペースで行きましょ。

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きょうの天気予報は、徐々に回復して午後からは晴れるでしょうというものだったのだが、
山はガスでおおわれ、景色はあまり期待できそうにない。
わずかな合間から榛ノ木丸方面を観る。

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ようやく姫次に着いた。
もう少し近いと思っていたのだがけっこうあるな。
それに富士山はもちろん、蛭ヶ岳もガスの中で期待外れ。

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姫次先から束の間の紅葉見物。神ノ川伊勢沢方面の谷間を観る。
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姫次をすぎれば山並みハイウェイ、しばらくは安泰だ。
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いつもながら、最後のきつい木段地獄。周りの景色もなく黙々と登る。
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山頂に着く頃にはガスが晴れることを期待し、
せめて雲海でも観られればと思っていたのだが山頂広場は雲の中、
登りついたところからでも山荘が霞んでいるのだから、
眺望など望める訳もなく来た甲斐なしだ。
少し休憩したら山頂をあとにする。

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姫次まで戻り、西に曲がって袖平山へ向かう。
ベンチから山頂に上がり袖平山の北尾根へ。

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この尾根、国土地理院の地形図には、
あたかも道があるように破線ルートが記されているが径路はおろか道の痕跡もない。
あるのは境界杭と林業用ピンクテープぐらい、
間違えるような分岐もないので歩きやすくとくに問題ない。

・944の標高点までくだって少し過ぎたあたりから、
地形図にある北東に折れる破線道がないか
探しながら下っていくと作業経路があった。
ジグザグに何度も折り返しながら急な斜面を下降していくと
山腹を切り開いた比較的新しい林道にたどり着いた。
少し破線ルートとはズレているようだが、
方角的に青根に戻れることは間違いなさそうだ。
くねくね曲がって降りていくので距離があって時間はかかるが確実、
なのでたどっていくと分岐で釜立林道にぶつかった。
ここからあとは林道を歩いて行けば戻れるはず。

中央付近に見えるのが、これから降りていく上青根の集落。
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釜立林道の登山口に向かう途中の通行止め現場。
道路の復旧はかなり進んでいるが、山抜けで押し流された家屋はそのまんま、
今も無残に残っている。

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せっかく、蛭ヶ岳まで行って景色が楽しめなかったのは少し残念だが、
未踏の尾根二本を踏破してバリ歩きも楽しめ、帰ってきた時間の頃合いもちょうどよかった。
それにしてもたまに一般登山道を歩くと、普段は勝手気ままに歩いているだけに、
他の人と比較して自分の体力度合がよく分かるね。
別にヘロヘロだったわけじゃないけど、若い連中にスイスイ追い越され、
あらためて体力の衰えを実感する。
もうすぐまた歳食うし、イイ加減いい歳なんだから当然なんだけどね

青根浄水場[6:30]…神武天皇社[6:40]…黍殻山の南側で登山道合流[8:54]…姫次[9:44]…蛭ヶ岳[11:05/11:20]…姫次[12:38]…袖平山ベンチ[12:53]…袖平山北尾根…北尾根910m作業径路分岐[13:50]…釜立林道…青根浄水場[14:50]

 2020.10.24(土)

《今回のルート図》

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