イガイガの丹沢放浪記

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zoom RSS 峯坂沢の白を探る

<<   作成日時 : 2014/08/03 23:00   >>

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水ノ木幹線林道を歩いて世附の奥地に向かうたび、気になっていたのが林道の脇に見える沢床が白い沢だ。周辺の沢は全く普通なのに、この沢だけペンキを流したように白い。いつか調べようと思いつつ延び延びになり、水ノ木幹線林道が通行不能になってからは世附川周辺から足が遠のいていた。
先日、久しぶりに水ノ木幹線林道を歩いてみると、この沢の白さが異様に際立ち、ますます好奇心が煽られる。これはもう源を突き止めてみないと気がすまない。 日をあらためて出直し白さの謎を探ってみることにした。

浅瀬[06:16]…芦沢橋[6:42]…湯ノ沢橋[6:51]…サルウツ沢…峯坂沢探訪[7:18]…県境尾根峯坂峠ベンチ[9:10/9:20]…悪沢峠(あしざわとうげ)[9:32]…旧径路…芦沢橋[10:05]…浅瀬[10:30]


この白い沢「西丹沢頂稜河川土地名称図」と「神奈川県水源林・県営林配置図」では“峯坂沢”である。沢を登りつめれば峯坂峠(=峰坂峠)にでるのだからごもっともな沢名なのだが、この沢を“湯ノ沢”としている資料も見受けられる。
温泉が沸き出ていたり、硫黄成分が溶け出していたりして白い沢になっているのなら“湯ノ沢”説もまんざらでもなく、この沢の別名とも考えられるのだが、前出の二つの地図はいずれも違う位置を湯ノ沢としている。
さらに話をややこしくしているのが「湯の沢橋」で、この橋が架かっているのは“サルウツ沢”湯の沢橋脇の堰堤にも“サルウツ沢の”銘板が付けられている。そしてさらに面倒くさいことに「西丹沢頂稜河川土地名称図」では“サルウツ沢”だが「神奈川県水源林・県営林配置図」は“サルウシ沢”、どちらかの「ツ」と「シ」の誤記か転記ミスなんだろうと思うのだが、どっちが正しいのかはわからない。
相変わらず丹沢の沢名はごちゃごちゃで頭が痛くなるが、ここでは一応「峯坂沢」と「サルウツ沢」の沢名を使わせてもらうことにした。
参考までに、沢名の微妙な混迷図を付記します。

  <世附川右岸沢名比較図>
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   ※旧字体の違いやカタカナ表記は問題なし、日影↔日陰も許容範囲にしても
     湯ノ沢の位置の違いは困ったものだ。


きょうはここから。
“湯の沢橋”昭和39年2月竣工
架かっている沢は「サルウツ沢」、堰堤の銘板にもそう刻まれている。
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世附川右岸の廃屋。
林道に近い方の一軒は大雪のためか屋根が崩落している。
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世附川に近いもう一軒は完全に倒壊。
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その廃屋の横から世附川に降りて峯坂沢を出合から遡る。
出合はちょっとした滝になっていて
白というよりは緑がかった白で覆われている。
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もう一度林道に立ち、峯坂沢上流方面を見る。
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林道からも見える3m滝、水の流れた壁面は真っ白。
表面に白い粉のようなものが付着しているだけ
苔ではないので意外と滑らず、そのまま登って越える。
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その先、ゴルジュ状段瀑の下段。
上部に見える流れはトップの写真と同じ。
温泉場のような硫黄臭さはなく水も冷たい。
白の正体は湯ノ花ではないようだ。
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直接登ることも可能だが
右岸から巻いてゴルジュ段瀑全体をみる。
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ゴルジュの段瀑落ち口の上
白濁した水ではなく沢床に白いものが沈着している。
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ここからしばらくは倒木地獄に悩まされる。
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ザレの沢床は吸収するためか乳白色だ。
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まだまだ倒木地獄が続く。
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水を吸わない岩床はペンキをこぼしたように真っ白。
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まだ白い・・・・                    ここも倒木墓場
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どこまで続くか白蛇の流れ。
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そしてついに・・・
はっきりしているわけではないが、このあたりが境目のような気がする。
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赤茶の岩脈の右側の岩をよくみると、牛乳をこぼしたように白っぽい。
水底も白濁しているが、その上流に濁りはない。
この岩の種類までは素人では判断がつかないが、
おそらく、石灰分か何かが溶け出ているではないだろうか。
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このあと稜線まで遡行を続けたが、部分的に白いところはあっても、
今までのように幅広く白いところはなく普通の流れに戻った。
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結局、知識がないので白の正体は特定できなかった。
素人的にはカルシウム(石灰)ではないかと思っている。
沈殿しているものを持ち帰って分析すれば答えがだせると思うのだが
自分の性格を知っているので、そこまでするとのめりこみそうでこわい。
きょうのところは謎を残したままにしておこう。


そして、今回の思わぬ副産物は上流部右岸にあった坑道口。
いったい何を掘り当てようとしていたのか、中はしゃがんで進めるぐらいの広さだが
水が溜まっているので入らず撮影のみ。
ヤケの強い岩肌がむき出しになっていた。

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 沢を忠実に詰めると新しい林道にぶつかり峯坂峠にでる。
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 帰り道は悪沢(あしざわ)峠から芦沢橋への廃路を使う。
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 序盤はしっかり径路をたどれるが、中盤以降あやしくなる。
 芦沢の左岸はほとんど径路流失。
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 地図が読めれば問題ないが、
 やはりV慣れした人以外は歩くべきではないだろう。
 少し間違えたが、それでも30分ほどで芦沢橋に降りてきた。
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  続編

 2014.8.3(日

 《今回のルート図》

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
地質学?のことは よく分かりませんが
こういう“謎解き”は面白いですね。

沢名、根拠なく独断で言わせていただけば
“サルウツ”では意味とれませんが、
“サルウシ”なら猿と牛ですから
有り得なくもない気がしますが・・・・(^^;

はっぴー
2014/08/05 20:26
スミマセン、地質オンチは同じです。ちょっともったいぶって書いただけで、専門家が見れば林道から見ただけで答えがでると思います。

でも、沢名についてはちょいと反論しますよ。
“サルウツ”って何だ?これは誤字、きっと“サルウシ”に違いない。
と、はっぴーさん理論で考えがちですが、古語を調べてみれば「サル」はズレルの転訛語ザレル・サレルからサレ・サルと転訛した崖状の地、地崩れ地。「ウツ」は狭い谷や小さな谷の両側の凹地。
どっちが正しいのかわかりませんが、現代の言葉の意味や字面で決めつけると沢名の由来はわからなくなります。

丹沢の沢名、ホントに悩ましい
イガイガ
2014/08/05 20:59
沢名、ご教示ありがとうございます。
理論も何も・・・
性格と頭同様、単純すぎる説(拙?)でした(^^;
はっぴー
2014/08/05 22:44
山百合橋の手前、廃屋の辺りの湯ノ沢。
水ノ木幹線林道を何回も歩き、橋から沢を眺めましたが
「白く染まった沢」は分りませんでした。(目が節穴)
途中のペンキ塗った様な白さに驚きます。
倒木地獄をものともせず・・!
原因らしき焼けの岩脈と坑道発見。
イガイガさんのガッツにまたまた敬服
いたします。
ありがとうございました。
(チョンボで上から岩脈と坑道を見たいナ!)
M-K
2014/08/06 02:39
はっぴーさん
ご教示などとおこがましい。へそ曲りがへ理屈書いただけです。
案外素直に“サルウシ”かもしれません。干支の“申丑”も考えられますし。
イガイガ
2014/08/06 05:25
М−Kさん
以前から白っぽかったのは憶えているのですが、ここまで真っ白ではなかったように思います。気になりながらも、何だろう?で通り過ぎていような。
なにしろ水ノ木幹線林道林道を歩くということは、大棚沢や水ノ木の奥地、土沢で水遊びなど、先を急いでいることが多いですからね。なかなか寄り道しずらいです。
イガイガ
2014/08/06 05:40
早速の踏査、すばらしい。写真付きでとてもわかりやすいレポートありがとうございます。白さと緑?がかった不気味さで手をこまねいていました。後追いで申し訳ありませんが機会をみて挑戦したいと思います。
utayan
2014/08/06 07:59
utayanさん、確かにあの白さと薄緑はチョット気味悪いですね。
沢歩きとしては面白い沢ではないですが、短い沢で難しいところもないので、ご自分の目で確かめてきてください。
イガイガ
2014/08/06 10:33
イ師匠 おつかれさまです。
白は石灰、緑は緑青、茶は鉄錆でOKでしょうか?
鉱床として採算は取れなさそうっぽいですが、
石を積めば「白亜のエンテイ」になるかと思うと
胸熱ですね!!!
TI-AEK29
2014/08/06 12:11
白は石灰で間違いないと思いますが
緑が緑青だとすると銅も含んでいるのかな?
もしかしてあの坑道、銅を狙って掘ったとか。

イガイガ
2014/08/06 16:44
イガイガさん

キビ団子、一ついただければ
お伴させていただきます
M
2014/08/06 23:11
おそかりしです

2014/08/07 15:27

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